「4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史」という本を読了しました。
プロ野球チームの横浜DeNAベイスターズとその前進、大洋ホエールズの球団史。2016年に出版された本なのですが、とある長年の熱心な横浜ファンの方に薦めて頂き読み始めました。
著者の村瀬秀信さんはこのチームの熱狂的なファンでこの本を作るために関係者へ取材をしている時も泣きながら行っていたとウィキペディアに書いてありました。
この本が出版されたの2016年の時点で「4522敗」というのはプロ野球12球団で最多の負け数だそうです。1998年に球団創設38年目にしてポコッと優勝を果たしますが、その後25年以上優勝から遠ざかっています。
なぜ負けるのか、なぜ弱い球団でい続けたのか、を熱狂的ファンの著者がそれほど暗くなく、時にはユーモラスに書き綴っています。生まれながらのG党の私でも楽しく読むことができました。私は神奈川県横浜市で生まれ育ったので、大洋&横浜のファンではなくてもこのチームの選手のことは結構知っています。もちろん個性的で良い選手もたくさんいました。
投手で言えば200勝投手&カミソリシュートの平松、速球とフォークの遠藤一彦、ヒゲの斉藤明夫、大魔神佐々木、番長三浦、落合が苦手にしていたストッパー盛田など。
野手でいうと、オバQ田代(ホームラン278本)、スーパーカートリオ(高木豊、加藤博一、屋敷要)、谷繁元信、石井琢朗、鈴木尚典、ローズ、ポンセ、内川、筒香(現役)あと我が巨人軍から移籍した駒田や仁志などなど。
これらの選手の在籍の時代は違いますが、いつだって他の球団にそん色ない戦力を有していましたが、球団経営側のあまりの迷走ぶりやチーム自体の勝負へのあきらめの早さなどがたくさんのエピソードそして選手、関係者の証言で裏付けられていきます。それを積み重ねての4522敗の記憶なのです。
私はこの本をプロ野球好きとして読んだだけではなく、会社や組織、経営の視点でも読んでいました。そういう意味でも読み応えのある一冊です。
負けにるにはしっかりとした原因があります。勝つチーム(組織)に変えるためには長期的な視点でやることと短期的な視点でやることがあり、その大前提に選手、フロントの一体化も必須です。特に大洋&横浜の球団経営側は選手の扱いについてどうしようもない悪手を打ち続けます。今でいう「エンゲージメント」などとかけ離れた選手への扱いは長く弱小球団でい続けた大きな理由の一つとなっていますが興味のある方は読んで欲しいです。
簡単ですが、球団問わずプロ野球好きであれば楽しくそして感動できる一冊です。
400ページもありますから、ゆっくり少しずつ。